窪塚洋介|コドナの言葉

窪塚洋介|コドナの言葉

interview by MIYOSHI CHINATSU photo by JUNYA S-STEADY

 

“あの事故”からの展開

 

HDM:でもそのコントロール下から逸脱できたのって、考えてみたら、さんざんこれまでも話したけど、あの転落事故がキッカケだったよね。いまの展開になるまでは、そんなことを考える余裕はなかっただろうけど…。あれは、あまりに強引な脱線の仕方だったけど…(苦笑)。

窪塚洋介:ハハハ!ほんとうに強引に逸脱させられたよね(笑)。もう、こうでもしないとほんとうのスタートラインにいつまで経っても立てないだろ、お前は!みたいな。それまではね、居心地の悪さを感じながらも、ある程度は芸能界という世界で自由にやらせてもらってたところもあったんだけどね。でも自分の中ではやっぱり「芸能界という職場に出稼ぎに行っている」って感覚がどうしても消せなかったんだよね。あの事故からはマジで笑えない状況だったんだけど、結果としていま自分がいる場所に全部がつながっていたんだと思ったら、あれは必然だったようにも思う。何ていうか…握ってたものが何もかも、自分で落としたのか勝手に落ちてったのか、なくなって。そしたら新しいものがどんどん入ってくるようになって。ほんとうに必要なもの、ほんとうに欲しかったものが。

 

HDM:俳優として名を広めた時の“破天荒な存在”から、いまは唯一無二の“オリジナルな存在”になれたんだなと感じる。自分を守るべきものが何なのかを、ちゃんとわかっているんだなあって。知名度や収入のレベルだけを守ろうと思ったら、いまのあなたのような存在の仕方は多くの人には難しと思う。みんな…広くて舗装された横断歩道を歩くほうを選ぶんだよ(笑)。

窪塚洋介:自分もそこにいたからよくわかるんだけど、横断歩道って裏から見たら延々と続くタイトロープなのかも知れないよね。横断歩道のようなタイトロープ上をなんとか上手く歩いていくってことなのかも。横断歩道を悠々と歩いているのか、凄くギリギリの状態でタイトロープして頑張って進んでいるのか、人によってそいつがどんな道を歩いているのかが変わるんだと思うけど、でも結局どっちの道を歩いていてもさ、自分がブレると横断歩道の上ではコケて怪我するし、ロープからは足を踏み外して落っこちる。どこでもいいけど、自分がその道を好きで選んで歩いているんだって思っていれば、それでいいんだと思う。

RELEASE INFORMATION

窪塚洋介|コドナの言葉

窪塚洋介 / コドナの言葉
サンクチュアリ出版
251頁 / 188×132mm
1620円(税込)
2018年6月7日発売

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