CASPER|多民族がアートでつなぐFEARLESS FUTURE(恐れ無き未来)

CASPER|多民族がアートでつなぐFEARLESS FUTURE(恐れ無き未来)

interview by CHINATSU MIYOSHI

 

HDM:「未来」というメッセージに話は戻りますけど、メッセージとしては最もシンプルでオーソドックスなこの言葉を描くにあたって、自分の中で何か考えることはありました?

CASPER:凄くいいなと思いましたね。「未来」って、手垢が付きすぎているくらいオーソドックスな言葉ではあるけど、それをあえて…改めて、FENDIという世界的に影響力を持ったブランドカンパニーが発信するということが、強いインパクトになるんだと思いましたし。

 

HDM:FENDIと並んで、最近ではストリートアートや現代アートをこぞってデザイン起用するDCブランドも多いですよね。ムーブメント?

CASPER:どうでしょうね?もしかすると…ネタが切れたんじゃないですか(笑)。

 

HDM:ハハ!メゾン自体の創作が限界だから、アーティストの作品でカバーしているかも知れないと。

CASPER:かも知れないですよね(笑)。アートの世界でも最近は特に、いわゆるミュージアムアートではなく、生活圏内で生まれたストリートアートのほうがより影響力が強いんだと思いますよね。ファストファッションの世界だけでなく、アッパークラスでも愛好者が増えてきたのか、シーンが仕掛けたのがうまくいったのかはわからないですけど。

 

HDM:CASPERさんはどちらにいるの?

CASPER:基本的に仕事に関してはメジャーもアンダーグラウンドも分け隔てなく受けてはいますけど、そもそものルーツというか、このシーンでやっている資質みたいなものはストリートにあると思ってます。

 

HDM:ストリートとメジャーのシーンをはっきりわけるものがあるとすると、何だと思いますか?

CASPER:なかなか難しいんですけど、「ストリートはストリート」ってことなんじゃないかな(笑)。

 

HDM:感覚的なもの?

CASPER:感覚もあるんでしょうけど、メジャーカルチャーとストリートカルチャーは絶対に違いますよね。ストリートからメジャーにいく人もたくさんいますけど、まったく同じ感覚を持ってそこで生きていくのは難しいんじゃないかな。社会性や利権、大衆性なんかがライフラインになっている場所では、それに準じていくことを何よりも求められるだろうし。対してストリートでは、金の動きより自分の精神性や感性を基本理念として生きていける。ビジネスにはなり難いのかもしれないいけど。自分自身はもう昔から大阪のアメ村で絵を描くことで生きているから、あえて「自分はストリートの人間だ」と誇張することもないですけど。たしか、数年前くらいにもストリートアートのムーブメントみたいなものがありましたよね。

 

 

HDM:そうでしたね。ムーブメントがときどき急にまた沸いてくるような。CASPERさん自身のクリエイション源って何ですか?

CASPER:僕なりの棲み分けとして、仕事に関してはグラフィティというカテゴリーとはわけて考えているんです。仕事は仕事。絵を描くということで対価をもらっているというシンプルな理念です。グラフィティに関しては、いわゆる仕事とは一線を画した存在ですね。グラフィティはグラフィティであって、ビジネスで使う手法とは違うというか。友達だったり、昔からの仲間の存在がグラフィティというシーンで描き続けていけるモチベーションかも知れないですね。グラフィティは“落書き”なんで、すごくデリケートな世界ですよね。かと言って僕自身は今はもう街中に描いている立場ではないんですけどね。見るだけで。

 

HDM:関係性が大切なんですね。

CASPER:ライターそれぞれで考えていることがあると思いますけど、僕自身はそうですね。ある程度でも関係性が築けていることは大切です。対価に対して完全にビジネスライクにこなすべき仕事もあるので、仕事を通じてそういう関係性になれるというのは特別なことなのかも知れない。

 

HDM:FENDIのプロジェクトで、海外のアートに対する関わり方はどう見えました?

CASPER:一番大きい部分では、アーティストに対する振る舞いが根本的に違うと感じましたね。とにかくアーティストが創作しやすい、作品に良い影響を与えるような環境を整えてくれたりと、アーティストに対する敬意を感じました。そういう部分は、日本の企業にも見習ってほしいところではありますね。企業は商品を作るためにアーティストに依頼をするわけですが、アーティストは商品というよりアート作品を作る。単なる労働じゃなく、創作であるという認識がお互い通じれば、日本のアートシーンはもっと発展的になれるんじゃないかなという気がします。お互いに対する敬意がそこに生まれるでしょうし。

 

HDM:間違いないですね!最後に、大阪はアメ村で運営されているCMK galleryでの今後の予定があれば教えてください。

CASPER:現在、6月9日から7月1日まで僕のソロ展示会を開催しています。7月7日からはいろんなアーティストが参加しての合同展示会「SUPER NICE 4」も開催予定です。見るだけでなく、手ごろな価格で展示作品を購入することもできるので、身近にアートを感じに来てもらえたら嬉しいです。

EVENT INFORMATION

CASPER|多民族がアートでつなぐFEARLESS FUTURE(恐れ無き未来)

CASPER展覧会

期間:2018年6月9日(土)~2018年7月1日(日)
場所:CMK gallery
時間:13時~20時(水曜定休日)

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