デビュー前からロックシーンをザワつかす謎の仮面バンド“Xmas Eileen”(前編)

デビュー前からロックシーンをザワつかす謎の仮面バンド“Xmas Eileen”(前編)

interview by CHINATSU MIYOSHI photo by TERUMI FUKANO

J-ROCKシーンに突如としてその姿を現したXmas Eileen(クリスマス・アイリーン)。そのミステリアスな風貌と、ラウド、ヒップホップ、メタル、EDMなど、あらゆる音楽の要素を巧みに操るハイレベルな楽曲に魅せられたオーディエンスが、今まさに日本中に増殖中だ。この夏、バンド結成から瞬く間にメジャーデビューの切符を手にし、本格的にミュージックシーンに旋風を巻き起こさんとする彼らを前編・後編にわたってフックアップ!彼らに対して『SORRY WHO AM I ?』もとい、『SORRY WHO ARE YOU ?』とはもう言わせない。

 

sub1

 

HDM:6月にみなさんが東京で主宰された『暁ロックフェス』でも発表されましたけど、いよいよ…というか、本当にあっという間にメジャー進出になりましたね。心境は?

VOCAL R:パフォーマーさん、どうですか心境は?

PERFORMER:そうですね…とにかく、調子に乗らないでおこうと思っています。

HDM:ハハハ!そんな自重が必要なほど、調子に乗ってしまいそうなんですね!?

PERFORMER:いや、僕はまったく大丈夫なんですけどね。ボーカル左がちょっと…

VOCAL L:なんで俺(笑)!?調子乗らないですよ!頑張りますよ僕は!

DJ:僕はずっと調子乗ってますけどね(笑)!

DRUM:調子に乗るという選択肢は、僕には無いですね…。

 

HDM:あの、これ別に調子に乗ってるか乗ってないかの質問じゃなかったんですど…(笑)。

VOCAL R:最近けっこう仲のよい友達から「Xmas Eileenって知ってる?めっちゃカッコいいねん」って言われて、「知ってるも何も俺…」って話したら「ええ!?そう言えば声が似てる!」って言われたり(笑)。

GUITAR:いやでも、ホンマに早かったですねこの展開。すごいなって思ったのは、ミニアルバム『SORRY WHO AM I ?』の7曲出しただけで、大手のレーベルが声をかけてくれたのがすごい良かったなと思います。

 

HDM:あのアルバムは、それに相応しいクオリティのアルバムでしたから。

VOCAL R:ありがとうございます!僕はメジャーってピンキリだと思ってて、一言でメジャーと言っても「属している状態」はいろいろあると思うんです。これは、本当に自惚れでも何でもないんですけど、僕らみたいな突然どこからか降って沸いたようなバンドに対して、大手のレーベルがわざわざライブハウスまで足を運んでくれて「あなたたちと一緒にやりたい」と熱望してくれたことが本当に有り難くて。だから、メジャーがどうこうというよりも、このバンドに対する思いに対して信頼に値する関係性を始めることが出来たことが第一なんですよね。それはレーベルだけじゃくて、ファンに対しても同じ気持ちなんですけど、僕たちのバンドを選んでくれたみんなに対して「選んでよかった」という気持ちに繋がれるようにやっていくだけですね。

 

HDM:スピードで言うとメジャー契約もそうですけど、すでにビッグフェスから出演のオファーが続々と。この夏は『SUMMER SONIC』に『ROCK IN JAPAN』やら、しかもメジャーデビュー以前に決まっていたという。

GUITAR:僕、SUMMER SONICの出演が決まった時、パチンコ打ってて…。あとで一報を受けたんですけどね。でもね、なんか決まる予感というか…何かしらそういう展開にはなっていくんじゃないかなという気はしていました。規模の大きなフェスに出るというのは、まだまだ自分たちの事を知らない人たちに存在を示せる一番大きなチャンスやから。個人的にはね、ROCK IN JAPANフェスは、客としてステージを観ていたことがあるから、あの空間でライブやれるのってすごいなって。

DJ:まあ、僕はどんなライブでもMCの途中でヤフオクしてるっすけどね(笑)。

 

sub2

 

HDM:ちょっと!でもそれ「らしい」ですね(笑)。主宰の『暁ロックフェス』も、ラインナップはかなり豪華でしたね

VOCAL R:そうですね。第1回目の大阪も今回の東京も、何て言うか「俺らよりも完全に実力のあるバンド」の面々に出演を快諾していただけて。1回目のZEPP NAMBAの時なんて、まだ音源も出す前だったにも関わらずトリで出させてもらって、「最後までお客さん残るんか?」っていう不安の中でやりましたけど…ほとんど全員ってくらいのオーディエンスが残ってくれたのがすごい嬉しかったですね。メッチャクチャ盛り上がってくれたし、音源も出てなかったのに(笑)。

 

HDM:その風貌でありながら、小学生から年配までのれるポピュラリティーがすごいですよね。

VOCAL R:有り難いですね。よく「目指しているバンドは?」とか、「ライバルのアーティストは?」とか聞かれるんですけど、そういうのがあんまり無くて。このバンドの存在や方向性を決めてしまいたくないというか…もっとこう、何ていうか「得体の知れないもの」であって欲しいと思ってるんです。なんか…こう…世の中でウニュ~ンてなっているような…

HDM:世の中でウニュ~ン…

VOCAL L:つまり…スーパースターでしょ!(と言いながらベッドの枕を敷いて寝転びだす)

GUITAR:うわ~、なんか急に横柄なってきた(笑)!

PERFORMER:ほら、調子乗りだした~。

VOCAL L:スティーブン・タイラーみたいでしょ?

GUITAR:そう言えば、スティーブン・タイラーってエアロスミス抜けるよな?僕たちそれくらいのポジションを狙ってるんですけど無理ですかね?

 

sub3

 

HDM:狙うな(笑)。でもね、スーパースターはざっくりしてますけど、その道程には乗っているわけじゃないですか。どうしていきますか?これから。

PERFORMER:僕はね、お茶の間に飛び出して行きたいんですよ。

HDM:ポピュラーな存在になりたいと。

PERFORMER:やっぱりね、国民の多くが「あ!知ってる!」て言い合えるほど認知されるのってすごいことだと思うんですよね。

DRUM:いや、僕はね、今後の方向性とか目指すスタイルとかは敢えて考えないようにしてるんですよ。枠を決めたくないっていうか、これをやる、これが果たせたっていう具体があることが窮屈になったら嫌だなって。まあでも…単純に「B’zみたいになりたいな」って。

 

HDM:考えないどころか、めちゃめちゃポピュラーなアイコン目指してるやん!

全員:(爆笑)。

GUITAR:いやまあ、でもなんかわかるわかる(笑)。やっぱりね、誰にでも「ずっと好きな存在」っているじゃないですか。そういう存在に自分たちがなれたら嬉しいっていうのはありますよね。

VOCAL L:うん、誰かのエアロスミスだったり、サザンだったりっていう。

VOCAL R:そうそう。これって立ち位置としてのポピュラリティっていうかね。

 

HDM:でも意外ですよね。これまでずっとアンダーグラウンドで、もの凄くコアな音楽を継続してこられたみなさんから「ポピュラリティ」という言葉が出てくるのって。

VOCAL L:だからこそ、そこ(ポピュラー)の存在の凄さっていうのがわかるんですよ。僕、生まれて初めて観たライブがサザンだったんですけど、今でも絶対新曲はチェックしているし、ずっと好きやから。同じ音楽をやっているんだったら、自分もそういう存在になりたいっていう想いはありますね。

 

sub4

 

HDM:みなさんの音楽はすごく凝っているし、演奏の技術もパフォーマンスもすごくレベルが高いのと同時に、大衆性もちゃんと備わってますよね。

VOCAL R:有り難うございます。とは言え、そこまでポピュラリティを目指していることは無いんですよ。考えているとしたら唯一「聴きやすい」という部分だけで。アルバムでもライブでも、ずっと激しいだけで通してたらちょっとしんどくなってくるでしょ(笑)。ガンガンのれる曲、聴き入ってもらえる曲、いろんな側面をこのバンドで見せていけたらなって思います。

 

HDM:エモーショナルな曲は、とことんエモいですもんね。以前、神戸であったみなさんのツアーの時、ライブハウスで号泣してるお客さん見かけました。

VOCAL R:ちょっとね、ギャップもデカいんでしょうね。こんな見た目なんで(笑)。

HDM:仮面も定着してきましたよね。お客さんにも仮面部隊が(笑)。

GUITAR:この仮面もね、あまり深く考えずに装着する流れになったんですけど、最初はほんまに「ただ着けたらいっか」って感じだったから、仮面が顔にペッター張り付いて、目の部分が上下にひっぱられて、両目ガン開きになってましたからね。「演奏できない!」って(笑)。そういう苦い経験を経て、今は仮面の内側にスポンジ張ってます。

 

HDM:ハハハ!地味に進化してる(笑)。それにしても、本当にみなさんって仲良いですよね。

GUITAR:関係性がね、抜群のバランスなんですよね。

VOCAL L:大所帯の兄弟みたいな感じですから。

VOCAL R:年齢の開き方とかもちょうどいいんかな。まあでも、俺が一番ケンカ強いから俺がリーダーは間違いないけど。

 

HDM:最後は腕っぷし(笑)。今まで一度も「ガチの喧嘩」ってしたことない?

VOCAL R:そう言えば喧嘩ってしたことないな?

GUITAR:ちょっと注意するくらいのことはあるけど。

DJ:ガチの喧嘩なんて、そんなことになったら俺ら指が無くなるっすよ(笑)。

GUITAR:…まあ、たまにパフォーマーさんが、小声でこっそりと悪口言ってくることはありますけど。

PERFORMER:………

 

 

HDM:ところで、このインタビューは全編・後編でアップするんですよ。後編は…お待ちかねのメジャー第1弾アルバムですよ!もうレコーディング終えられたそうで。どんな感じですか?

VOCAL R:もうね、四次元な方向に行ってしまって…。作品の着地点が本当にもうわからなくなってしまいました…(笑)。

HDM:どういうこと(笑)?

VOCAL R:たぶんね、聴いた人みんなびっくりすると思う。なんか…これ、本当にXmas Eileenが作ったアルバムなのか…?と。1曲1曲はすごいいいのが出来上がったし、3日前に全部通して聴いた時に改めて「めちゃめちゃいい!」って思いました。これまでのJ-ROCKの概念を打破できるような作品になったんじゃないかと。

DJ:オムニバスみたいな感じですよね。

VOCAL R:業界の人らにしたら、こいつらホンマに気が狂ってるんじゃないかと思われるな。

 

HDM:(笑)。かなり気になるアルバムの詳細は、次回後編のインタビューでじっくりと!

RELEASE INFORMATION

デビュー前からロックシーンをザワつかす謎の仮面バンド“Xmas Eileen”(前編)

Xmas Eileen / ONLY THE BEGINNING
VICTOR ENTERTAINMENT
初回限定盤(CD+DVD)
VIZL-998
3500円(税別)
2016年8月31日発売

Xmas Eileen / ONLY THE BEGINNING
VICTOR ENTERTAINMENT
通常盤(CD)
VICL-64596
3000円(税別)
2016年8月31日発売

  • facebook
  • twitter
  • pinterest
  • line
  • Tumblr