EDGE OF SPIRIT|2年の活動休止を経て復活するEOSのこれまでの軌跡
ハードコアという音楽が盛り上がりを見せていた90年代後半。地元神戸で仲間たちとバンドを結成し、瞬く間にその人気を全国のアンダーグラウンドへと広めていったEDGE OF SPIRIT。20年以上にわたりシーンの第一線で活躍を続け、後続するバンドやシーンに多大な影響を与えてきた。そして2016年に突然活動を休止し、それから2年…この9月16日に心斎橋SUNHALLで開催されるハードコアフェス『PDF SUMMER BASH FEST 2018』でついに復活を遂げる。今回は復活を記念し、ボーカルSHOの目線でこのバンドが歩んできた軌跡を振り返り、EDGE OF SPIRITをよく知る人も、あまり知らないという人にも、改めて知ってもらえたらと思う。
HDM:いきなりだけど、なぜ2年間の活動休止に至ったの?
SHO:活動休止はいろんな思惑があったんやけど、まず一番大きな要因は曲作り。さすがに20年も活動してたら新しい曲がなかなかできにくくなってきたりとかがあって。
HDM:それは新しいものを追い求めすぎて?
SHO:新しいことにトライするっていうのと、やりたいことをやるっていうのは、それが合致したときに初期衝動として何かが始まると思うんやけど、でも長く活動していくと、俺らに経験値と求められているものがどんどん加算されていくわけで。本当にやりたいからやるのか、新しいからやるのか、求められてるからやるのか…それがよくわからなくなる時期があって、そこで悩んで曲が作れなくなってん。既存の曲だけでもちろんライブは盛り上がるしやれるんやけど、バンドとして新曲を作れないとはどうなのかという思いもあって、一度活動を止めて、整理をしたかった。
HDM:2009年の4thアルバム『EDGE OF SPIRIT』が事実上最後の作品やもんね。
SHO:まあ、正確に言うと曲はできてるんやけど、お披露目するには至らなかったって感じやな。
HDM:そもそもSHOが音楽に興味を持ちだしたのは?
SHO:兄貴や親父の影響で家にあったレコードやCDを聴き始めたのが最初で、U2とかQUEENとかの洋楽をよく聴いてたかな。小学校高学年ぐらい。そもそもでいうと3歳から俺ピアノならってたから。いとこのおばさんがピアノの教師で、俺の家にでかいピアノがあったから、住んでたマンションの子供を集めて俺の家でピアノレッスンしてたんよ。
HDM:想像つかへんなぁ…
SHO:せやろ(笑)。でもそのおかげで譜面は読めるし、相対音感も鍛えられたし、一度聞いた主旋律はピアノで引けたりするから、そういうところは活きてるかなと思う。いまだにそのおばさんに会ったら、「一番ピアノ嫌いやった子がいまだに音楽やってるんか」って言われるけどな(笑)。
HDM:ハードコアやアンダーグラウンドな音楽との出会いは?
SHO:17歳くらいかな。同級生のとんかつ屋で飯くってたらフライヤーが貼ってあって、なんでこんなの貼ってあるか聞いたら、そこでバイトしてたのがJOHN HOLMEZのギターやって。それでART HOUSEでやってたそのイベントに行ったのがキッカケかな。
HDM:その初めてのハードコアはどうだった?
SHO:けっこう衝撃的やったというか、初めてそういう不良の音楽にふれて「カッコええやん」「俺らもやりたい」ってすぐになって。ライブハウスの入り口とかで手撒きしてるフライヤーをたよりに、(ハードコアの)ライブを探しては行って探しては行ってをずっと繰り返してたかな、ヤマケン(Gu.)とイナ(Gu.)と3人で。そのあと俺は音楽の専門学校に進むことになるんやけど、そこで出会ったオチ(Ba.)とヨネダ(Dr.)のオリジナルメンバー5人で1997年にEDGE OF SPIRITを結成するんよ。そのあとすぐくらいかな、俺がアメ村で働きだしたのを機に、大阪でみんな(SXSXS)と出会うことになる。ちなみにヤマケンは今も一緒にやってるし、オチはCrossfaithやHi-STANDARDのPAとして活躍してる。
HDM:バンド名の由来は?
SHO:ない。ないねん。実はない(笑)。バンド名何にしよってときにEDGE OF SANITYっていうデスメタルバンドを車の中で聴いてて、たまたまそこにインスパイヤされただけ。最初は「俺らはこれでやっていくんや」っていうようなノリでもなかったし、漠然とスタートした感じやったから。
HDM:活動当初、影響を受けたバンドって?
SHO:そやなあ、ヨーロッパのニュースクール系のバンドとか…もともとハードコアもメタルもパンクも好きやったから、メタリックなそれらをクロスオーバーさせた音楽をやりたいってのがあって、それでそういったものを聴いたりとか、ハードコアマインドの感じるメタルバンドを聴いたりだとかしてたかな。あと、当時大阪にREASON OF HATEってバンドがいて、そのバンドを見て「あ、ここまでメタルアプローチしていいんや」とか、そういう感覚的なものを学んだりはしたかな。
EVENT INFORMATION

BLOODAXE FESTIVAL 2018
日程:2018年9月22日(土)
場所:川崎CLUB CITTA’
時間:開場11時 / 開演11時半
料金:前売6800円(D代別) / 当日7800円(D代別)
出演:TURNSTILE(USA) / ALL OUT WAR(USA) / LOYAL TO THE GRAVE / XIBALBA(USA) / NUMB / LIONHEART(USA) / SAND / EDGE OF SPIRIT / TRAIL OF LIES(USA) / BLINDSIDE / EASY MONEY(USA) / SECONDLOW / MIRRORS / HORSEHEAD NEBULA / UNIVERSE LAST A WARD