WILYWNKA|背筋伸ばしてスタートラインに立つ

WILYWNKA|背筋伸ばしてスタートラインに立つ

interview by HIROYUKI ICHINOKI photo by cherry chill will.

 

『高校生ラップ選手権』や『ラップスタア誕生』への出場を始め、変態紳士クラブを含む自身の活動を通じて、大阪からその名を広く知らしめ、ANARCHY主宰のレーベル『1%(ONEPERCENT)』からデビュー…今でこそそのキャリアも順調に見えるが、(Willy Wonka改め)WILYWNKAの歩みは、公私含めて決して平坦ではなかったのかも。ある意味社会を目の当たりにするのも早かった彼だが、分別くさくなるでもなく日々をすごす素顔は、やんちゃで笑いにあふれた21歳の男のそれ。昔も今も変わらず、彼はまっすぐな思いでその背筋を伸ばす。これまでの道のりをにじますファーストアルバム『SACULA』も肴に、じっくり話を聞いた。

 

 

HDM:そもそもの音楽との結びつきはどんなところから?

WILYWNKA:一番古い記憶で行くと、小学校んときに母ちゃんがm-flo好きで、アルバムが全部ウチにあって。ラップって認識がなくノリで聴いてて、僕もVERBALが好きで、カラオケ行ったら母ちゃんがシンガー役やって俺がVERBAL歌わされるみたいな。小4から小6のあいだぐらいには友達の兄ちゃんがTERRY THE AKI-06とかCHEHONを聴いてて、僕もレゲエかどうかもわからず『裏庭独走最前線』とか『正念場』、『みどり』的なのを聴いてましたね。

 

HDM:そこから意識的に音楽聴くようになったのは?

WILYWNKA:XLARGEに服を買いに行ったときに「お前これ知ってるか?」みたいな感じでスタッフに韻踏(合組合)を教えられてハマりはじめて、「ラップってこんな感じなんか」みたいな。ディグると韻踏が(TERRY THE AKI-06と)同じ420 FAMILYってわかって、そのへんぐらいからほんまに好きになって聴くようになったっすね。それで、中学校入ってスケボーし始めたとき、一緒に遊んでた先輩の親がダンススクールやってて、そこに無理やり連れて行かれて、自分の好きな曲をかけて踊るみたいな時間があって、俺が韻踏をかけたら「一二三屋ってとこがあるから絶対行け」と言われ。

 

HDM:もちろんその時点では自分でラップしようなんて思ってなかったんですよね。

WILYWNKA:ぜんぜん思ってなかったっすね。DJはなんとなくやりたいな、スクラッチカッコいいなとは思ってたけど。

 

HDM:じゃあ一二三屋に行ったこと自体がラップするキッカケっていう。

WILYWNKA:ある日、一二三屋にパッと入ったら「HIDADDYおる!」ってなって。普通に僕らからしたらスターやったんで、見てたら「おー、少年ええとこに来た。お前ラップせえへんか?」って言われて、「え、どこがいいとこ?」みたいな(笑)。「テレビ出たいか?」とか聞かれて、中学生やしアホやから「出たいっす」って言ったら、「ほんじゃラップしよう」って言われて、ペンとノートとインストが入ったブートのCDを渡されて、「1曲作ってこいや」って。そんときスケボーしてた場所で小学校からの同級生と「どんな書いたらいいんや」みたいな相談しながら書いたの覚えてます。

 

HDM:そこからラップにのめりこむまでは早かったんですよね。レコーディング始めたのも早かったとか。

WILYWNKA:初めて曲レコーディングしたのは中学2年生っすね。だから学校よりたぶん長くやってます(笑)。俗にいう悪友たちが集まるスタジオがあったんすけど、そこでずっと曲を作りまくってたから「誰よりも俺はラップしてんぞ」っていうので自信だけは人一倍ありました。

 

HDM:鑑別所の世話になったのも同じころ?

WILYWNKA:高校生ぐらいのとき一番グレて、いろいろやりすぎてもうてて、年に2回いってました。1回目の半年後にもう1回入るみたいな。1回目は家の近所で暴れちゃって、クソガキ反省しろぐらいの感じで入れられて、2回目パクられたときはもう少年院に入れられると思ってましたね。

 

HDM:高校はどうしたんですか?

WILYWNKA:高校はそもそもほぼ行ってないです。2回目捕まったときに、保護観察、試験観察、少年院送致の3つあって、鑑別所1、2カ月おって出て保護観ついて終わりか、こいつ反省してへんてなったら少年院にそのまま送られるかなんすけど、奇跡に奇跡が重なって試験観察で出れて。試験観察ってのは3カ月毎日日記書かされるんすよ。朝何時に起きて、何して、昼は何食べて、夜は何をしたみたいな。それで試験観察中に悪さしたら少年院なんすけど、当時親がまだ自営業でギリギリ会社を保ってたから、そこで夕方まで働いて、夕方から勉強させられて、3カ月後に高校受験をするっていうのが条件やったんすよ。で、誰でも受かるような高校に受かって、試験観察から保護観察に変わってその学校に行き始めるんすけど、そうなった瞬間にしめしめと思って10回も行かずやめてやりました。カスっすね(笑)。

 

HDM:そのあいだもラップはやめることもなく?

WILYWNKA:1回もやめてません。けど、怖い先輩から逃げてたときがあって、そのときは声をいじって変えたり、仮面つけてPV録ったことあるっすけど(笑)。その時期の自分は人としてもカッコ悪かった。

 

HDM:ラップ続けながらも足元が定まってなかったわけですね。

WILYWNKA:俺がなめすぎてて、先輩から「やめてまえ、おまえみたいなヤツ」とか言われたこと何回もあるっすね。ライブをブッチしたことも何回もあったし、普通にやっちゃいけないことやってて、それで堺東のクラブの控室で先輩方10人ぐらいからリンチされるっていう(笑)。で、後日その先輩方のイベントのミーティングに謝りに行くんすけど、普通やったら丸坊主にするのに金髪にしていったりして(笑)。今思えば恥ずいすけど、「おまえほんまアホやなあ」って普通に呆れて真顔で言われたのも覚えてます。それが高1、高2ぐらいで、たぶん鑑別所行った時期と重なってるっすね。

EVENT INFORMATION

WILYWNKA|背筋伸ばしてスタートラインに立つ

WILYWNKA『SACULA』RELEASE TOUR

10月13日(土)@東京 SPACE ODD
10月28日(日)@仙台 CLUB squall
11月10日(土)@福岡 STAND-BOP
11月11日(日)@熊本 Labo te:D
11月24日(土)@沖縄 G+okinawa
12月1日(土)@大阪 CLUB JOULE

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