PALM|6年ぶりのフルアルバム『TO LIVE IS TO DIE, TO DIE IS TO LIVE』から見るPALMという音我苦

PALM|6年ぶりのフルアルバム『TO LIVE IS TO DIE, TO DIE IS TO LIVE』から見るPALMという音我苦

interview by SHO from EDGE OF SPIRIT photo by CAZROW AOKI

 

HDM:(苦笑)。では次、リリックに関して。日本語詞は前作からトライしてて、今作では全編そうなるんやろなって思ってたんですが、内容が自問自答というよりは自己完結済みの腹立つことやったり、答えがすでにでてる内容に変わったなと感じた。それってバンドのコンセプトにかかわる変化やなと思ってて、何か腹が決まった感を感じました。自分(ボーカル)の主張することがより明確に、内容もよりパーソナルになったなと。そこに至った気持ちやその原因って何かありますか?

TAKAHASHI:うーん、意図して何かを変えたというのはなくて、自然に書いてそうなったっていうのが簡潔な答えですけど…ただ、言い回しだったりとか、抽象的な表現だったりとか、哲学っぽい歌詞を書くのも好きなんですけど、それは一回置いといて、よりシンプルな言葉で伝えれるのが究極かなってのが自分の中であって。いっぱい良い歌詞を書くアーティストはいるじゃないですか?例えばトム・ウェイツとかボブ・デュランみたいに詩人みたいな歌詞を書く人たち。ブルーハーツとかガーゼみたいにシンプルで短い歌詞でも心にグッと残る歌詞を書く人たち。その中で自分は後者のような歌詞を書きたいなとより強く思うようになって。それができれば自分が何か変われるかなぁみたいなのがあって…(中略 約10分続く)…

 

HDM:…シンプルな歌詞の話してるのにぜんぜんシンプルな回答じゃないという…まあそういうところがTAKAHASHIらしいけど(笑)。

TAKAHASHI:すんません(笑)。でも特に1曲目の『Scapegoat』はめっちゃ悩みましたね。正直中学生の作文みたいな歌詞じゃないすか?これでいいんかなって。そんな感じで殴り書きしたものもあるんですけど…

 

HDM:腹立っとったんやろうなぁ…って思いました(笑)

TAKAHASHI:そうっすねぇ、いろいろ(笑)。

 

HDM:地下二階の2畳半しかないせっまいところ(火影事務所)で。

TAKAHASHI:「腹立つわぁ…」言いながら(笑)。

 

HDM:個人的な解釈やけど、前作までは「日記」、今作から「手紙」に変わったなと、それくらいダイレクトになったなと感じてて。

TAKAHASHI:………そうっすねぇ…

 

HDM:…難しすぎたかな?高校中退の人には今の例えは(笑)?でもバンドは夢あるな!偏差値40もない高校を中退した中卒が、同志社大卒(KENTA)と一緒にやれるんやから(笑)。

TAKAHASHI:すみません、ほんと(笑)。でも、よりシンプルに、よりダイレクトにっていうのはたしかにありましたね。

KENTA:「お前に言ってんだよ!カス!」(『Scapegoat』)って初めて聴いたとき、「え!?カス!!」ってなりましたもんね(笑)。

AKIRA:うん、(フロアが)けっこうザワついてた(笑)。

 

HDM:バンドやってて本当はそんな主張をしたいわけじゃないけど、バンドの先頭立って歌ってるヤツがそう歌うんやから、それはメンバーとして受け入れなしゃーないわな(笑)。

KENTA:そうなんすよ(笑)。でもパンチラインになるなとも思いましたね。

AKIRA:毒にも薬にもならんようなツルツルの曲よりはぜんぜんいいかなと。

 

HDM:結果、みんなに刺さってその部分がSNSとかで引用されて広まりもしたしね。わかりました。では次の質問、ライブに関して。ざっくり聞くけど、各々が今ライブをやるにあたって大事にしていることは?

TAKAHASHI:「今日が最後」「このステージがラスト」やと思ってやってますね。小さな箱だろが大きなフェスだろうが、とにかくそのステージを全力でやりきる。盛り上がろうが盛り上がるまいが、自分のすべてを全力で出し切る。これは今も昔も変わらず自分のテーマです。

 

HDM:それは(初回限定盤のドキュメンタリー)DVDでも言ってたね。それを思うようになったキッカケってなんなん?

TAKAHASHI:ある程度の年齢になって…例えば、年に3回くらい東京でライブやってます。今僕38歳です。仮に45歳までと考えたら単純計算であと18回。あと18回で何ができるんだと。バンドやり始めたころはこんなことまったく考えることもなかったですけど、いつまでこんなバンド活動を続けれるんやろうと考えたときに、その数字が凄く現実的で、ひとつひとつのライブが尊く思えてきて。音が良くなかったとか、ノリがいまいちだったとか、それどころではない。いかに自分を出し切るか。それだけです。ライブとか終わったあとにAKIRAやKENTAは今日のライブについて話したりしてるん耳にしますけど、僕はそういうのには一切参加しないんすよ。自分からも言うことないし。それは信頼してるからっていうのもあるけど、俺がやることはただひとつ、自分との闘いだけやと考えているんで。

AKIRA:僕は単純にいい演奏がしたいすね。自分が作った曲、リフが自分がそう思って作ったとおりみんなに聴かせたい。それが半分。もう半分はそういう細かなこだわりとはまったく真逆、始まって一番最初の一音ドーンって鳴らしたときのエグみというか、フロアに広がる衝撃というか、それはどのバンドにも負けたくないですね。

 

HDM:わかるもんな、白玉(全音符)一発でそのバンドの実力が。KENTAは?

KENTA:うーん、何年かに一度くらいのペースでTAKAHASHIさんともそういう話をするんですよ。まあいつも話は噛み合わないし、分かり合えないんですけど(笑)。

 

HDM:そら合わんやろうな。だって原始人と文明人くらい違うからな(笑)。

KENTA:そうなんすよ(笑)。でも今はその違いがバンドを良くしていく秘訣やと僕は思っていて。最初はすり合わせようと努力してたんですけど、分かり合えないなりにも話してる中で、プロセスが違うだけでめざしてるところは一緒やねんなということに気づいて。どのバンドよりも一番になりたい。それは一緒だなって。

 

HDM:アプローチの仕方は違うけどみんな大事にしていることは一緒だと。ちょっと脱線しますが、TAKAHASHIはいつも「何も考えてないっす」って口癖のように言うんやけど、何も考えてないんじゃなくて、考えたことを伝える手段を持ってないだけで、面倒になってそれで終わらすっていう独特の手法なんですよ。前回のハーデストの取材のときに何を聞いても「何も考えてないっす」しか言わんからインタビューにならなくて。そのときに俺は「こいつはアホなんやなあ」と思って。でもこれは良い意味で、純粋なんで、インタビューやのに俺と喋ってるねん。俺はただの代弁者やのに、俺の後ろにいる読者がまったく見えてないねん。だからそういう人間とバンドするのは大変やと思う。けど、表現者としては正しいのかなとも思う。褒めてるんやで(笑)。

KENTA:それはたしかに思うっすね(笑)。

RELEASE INFORMATION

PALM|6年ぶりのフルアルバム『TO LIVE IS TO DIE, TO DIE IS TO LIVE』から見るPALMという音我苦

PALM / TO LIVE IS TO DIE, TO DIE IS TO LIVE
DELIVER B Records
DVBR-001[CD] / 2500円(税別)
DVBR-002[CD+DVD] / 3000円(税別)
2018年8月29日発売

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