EX-C企画『KILLING ME SOFTLY』UM8 & MIZUTAMAXXインタビュー(中編)

interview by エロリン from BURNING SIGN / NODAYSOFF

 

-なんというか「そのまんまやらん」…できへんねやろな 大阪人は(笑)

 

HDM:しかし今回のメンツ、フライヤーの並び見ても凄まじいですね…この中で1番キャリアが長いバンドってNightmareになるんですか?

MIZUTAMAXX:1番長いのは…やっぱりそうやろうなあ。1987年くらいやから。鐵槌が1990年くらいかな。

 

HDM:ミズタさんって初期のころのNightmareのライブも観てはりましたか?

MIZUTAMAXX:観てたよ!89年くらいとかかな。

UM8:俺が9歳とかやわ(笑)。

 

HDM:僕も小学校入るか入らんかくらいですわ(苦笑)。

MIZUTAMAXX:俺が16~17歳くらいかな。

UM8:(長いこと)やってますねぇ(笑)。

 

HDM:Nightmareって最初からジャパニーズハードコア、って感じやったんですか?よくある目立ってたキッズたちが組んだバンド、みたいなだったのかなぁとか。

MIZUTAMAXX:音はそうやね。結成の経緯までは知らんけど、たしか岡山ルーツやねんあのバンドは。みんなが大阪の人ではないはず。

 

 

HDM:おー岡山!やっぱり凄いですねあの土地は。

MIZUTAMAXX:大阪ってクセの強いバンドが多いやん、でもNightmareってLIPCREAM直系でルックスもイカしてて、若手で王道やってるって感じやったね。

 

HDM:途中の時期でハープ入れたりとか、いわゆる大阪のクセの強い感じ?も見え隠れしたすけど、一貫して王道感はありますもんね。ミズタさんのハードコアとかパンクのルーツってどこらへんになりますか?

MIZUTAMAXX:んーと…そうなると1番最初はブルーハーツかな。テレビで観てガビーンやな。中3くらい。すぐライブも行ったよ。

 

HDM:おー、リアルタイムですよね。ライブは場所どこでした?

MIZUTAMAXX:大阪城ホール!

一同:(笑)

MIZUTAMAXX:トレイントレインのころやな。ただライブ行って何かちゃうなって思って。

UM8:あら、違うかったすか?

MIZUTAMAXX:いや、バンドはカッコ良かったんやけど、やっぱパンクが城ホールってなるとさ。なんかちゃうなぁと。

 

HDM:ロケーションのところですよね。汗が飛び散るような感じはないですもんね。ライブハウスってところに足を運ぶようになったのはいつくらいでしたか?

MIZUTAMAXX:もうその半年後にはエッグプラント(西成にあった伝説のライブハウス)行ってたよ。近所やったもんで。

 

HDM:そのころってみんなががよく都市伝説的に話すようなあの時代ど真ん中のころですよね?

MIZUTAMAXX:そうそう、でも高校生デビューやったしね。そんな早いってわけではなかったよ。

 

HDM:いや、十分早いと思います(笑)。いろんなバンドが多かった中でミズタさんが惹かれたバンドとかはどうでしたか?ライブ行き始めで明確な違いとかはわかる感じだったんでしょうか。

MIZUTAMAXX:違いは分かったよ!やっぱり個性的なバンド多かったから。うーん、OUTO、SxOxB、RAPES、GRIFFIN、Nightmareかな。

 

HDM:なるほどなるほど。ミズタさんのバックボーンって本当に豊かなイメージが強いんですが、そういった個性的なバンドがルーツにあるっていうのは、今の自身を形成してる部分として強いと思いますか?

MIZUTAMAXX:せやね、やっぱり強いんじゃないかな。なんというか「そのまんまやらん」というか(笑)。なんか流行っても、そのままやらない。関東は…こういう言い方は関東の人たちが良いように思わんかもしれんけど、やっぱり関東のバンドってそれをサラッとスマートに消化できちゃうのよ。できへんねやろな、大阪人は(笑)。

 

HDM:人と違うことやろうとしてしまうというか…

MIZUTAMAXX:ってか、やろうとしてるけど、そうならないっていう(笑)。

一同:(笑)

 

HDM:我を出してしまうという(苦笑)。それを言うと当時から関東のバンドに対してシュッとしてるなとか、そういうのってありましたか?

MIZUTAMAXX:あったあった。それは思ったな。

 

HDM:やっぱそういうのって変わらないもんなんですね。今でもそういう風に思って見てる人って多いと思いますし。これは東京や関東に対してネガティヴな意味合いで言ってるのではなくて。

MIZUTAMAXX:最初T.J.MAXXやって、けっこう洗練されてるなって自分たちでも思ってたけど、俺らが3本目くらいのライブで同じくまだそんなに回数は踏んでなかったSWITCH STYLEのライブを観て、こりゃ勝てんわと思った(笑)。

 

HDM:そのスタイリッシュさに(笑)。

MIZUTAMAXX:ほんまスタイリッシュやったわ(笑)。

 

HDM:まあでもこの話も今回のイベントに繋がってくる話ですよ(笑)。T.J.MAXXはNYスタイルのバンドでいうと大阪でもかなり早かったと思いますが、まわりに同じようなバンドっていましたか?

MIZUTAMAXX:おったのはおったよ、NYHCを意識しているバンドは。それ以外にもREVELATION系のユースクルーを意識しているようなバンドやったり、やれボストンだDCだっていうノリを出してたバンドはおったと思う。でも全面に押し出してたのが少なかったって感じちゃうかな。シーンも無かったし。大阪ではWRESTLING CRIME MASTERとDRIVE BY PRESS(SECOND TO NONEの前身)くらいやったと思う。そんで東京にBLIND JUSTICE(ENVYの前身)と仙台にHALF LIFEかな。東京はDIVIDED WE FALLもいたか。

 

HDM:今回のイベントって、EX-C自体は多くの人がNYHCスタイルのバンドやって認識してると思うんですけど、その中でいうとB SIDE APPROACHしかそこルーツのバンドがいませんよね。これって何か特別意識したところとかあるんでしょうか?

MIZUTAMAXX:うーん意識してる…と言えば意識してるかな。まあ、それを言うと、カッコ良いNYスタイルのバンドで仲の良いバンドがあまりいないっていう…。

一同:(苦笑)

MIZUTAMAXX:誰も仲良くしてくれへんもん。

 

HDM:ルーツ的なところがしっかりしてるバンドでっていうところですよね。そういう要素を取り入れてるバンドは多いけどっていう。でも現行でカッコ良いバンドをジャンルにとらわれずに呼んだらこうなったって感じじゃないんですか?

UM8:まあそれもやし、B SIDE APPROACHを呼んだことに関してはそのほかのメンツに対してテンションも上がって噛み付いていけるバンドちゃうかなと思って。

B SIDE APPROACH:そうやな、ほかのNYスタイルのバンドでこのメンツ見て「めっちゃやりたい!」って言ってくれるのはあまりおらんのちゃうかなと。

UM8:かつ、出稽古っていう感じで当たりにいけるバンドは自分たちのまわりではB SIDE APPROACHかなと。

 

 

HDM:たしかにたしかに。言われてみればそうですね。凄く納得です。

UM8:NYスタイルのバンドやと誘われても、「何のどんなイベントやねん?(共演者の)名前は知ってるけど…」ってなっちゃうのかなと。B SIDE APPROACHは勝負根性もあるやろうし。

 

HDM:誘ったバンドが良いテンションでのぞんでくれるのは嬉しいですもんね。

UM8:あと、一応あいつらもええ歳やけど、今回の中では若手枠やから(笑)。

 

HDM:たしかにそうですね(笑)。今回のイベントって出演者の平均年齢はどれくらいですかね?

MIZUTAMAXX:平均で言うたら40歳は平気で超えてるやろうな。

 

HDM:でもさっき「現行」っていうワードも出てましたけど、今回はみんな現役感あって、決して古臭くないんですよね。それが凄いなと思っていて。まあそれを抜きにしても、今回のメンツは相当練った感じでしたか?勢いなのか、それとも計算されたものなのか。

MIZUTAMAXX:んーと…まずはEX-C名義で鐵槌を呼びたいというのがあって。そこでEX-Cと鐵槌が並んだときに、どういうのがおもしろいかなと。まずは大阪の同世代的なところでNightmareやって。

 

HDM:なるほどなるほど。鐵槌とNightmareはけっこうつながりあったりするんですか?

MIZUTAMAXX:あそこは仲良いで。

 

HDM:あ、そうなんですね!そこはあまり知られてないとこなんじゃないかなと。こないだの『武骨夜』KBSホールのときも、WARHEADのカトウさんと鐵槌のショウジさんが仲良さそうにしゃべってはるのを見たんですけど、それって初めて見る光景だったんで。スキンズとジャパニーズハードコアのシーンって…FORWARDのイシヤさんとかがあいだに入ってるってイメージはあるんですが、近いようで遠いのかなとも思ったりするんですがどうでしょう?

MIZUTAMAXX :大阪はそうやね。でも東京は仲が良いよ。大阪はあまり交流がない。

 

 

HDM:やっぱりそうなんですね。多分そう思ってる人は僕だけじゃないと思います。

UM8:少し話を戻すと、EX-C単体名義でぜんぜん企画やれてないなって話から始まって。ここ何年かはSMDで年2回やってるっていうのもあったし。そしたらまずはミズタくんが主導で企画するってなって鐵槌を呼ぶと。せやし今回はミズタくんの企画って色が濃いかな。

MIZUTAMAXX:でもけっこう綺麗にNYHC枠と、スキンズ枠、ジャパコア枠、メタルクラスト枠、あと…ヤンキー枠(笑)?が上手いこと混ざった組み合わせになったかなと。

 

HDM:そうですね、またEX-Cの最近の楽曲というか、そういうレンジの広い感じとも絶妙にマッチしていて。とても良いなと思います。

MIZUTAMAXX:ただこれで人が入ってくれるかな…っていう。

一同:(苦笑)

 

 

前編【知らんところにガンガン攻めていこうかっていう流れ】

後編【バンド名は知ってるけど 音は知らんって人に来てほしい企画】

EVENT INFORMATION

EX-C企画『KILLING ME SOFTLY』UM8 & MIZUTAMAXXインタビュー(中編)

『KILLING ME SOFTLY』

日程:2018年10月20日(土)
場所:南堀江SOCORE FACTORY
時間:開場17時 / 開演17時半
料金:前売2500円 / 当日3000円

出演:EX-C / KiM / NIGHTMARE / B-SIDE APPROACH / assembrage / 九狼吽 / 鐵槌
DJ:SHIGA CHANG / 44041644

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