EX-C企画『KILLING ME SOFTLY』UM8 & MIZUTAMAXXインタビュー(後編)

interview by エロリン from BURNING SIGN / NODAYSOFF

 

-バンド名は知ってるけど 音は知らんって人に来てほしい企画

 

HDM:このイベントをおもしろがってくれたら嬉しいっていうのはありますもんね。あくまでお客さんにはたくさん来てほしいっていうのはあると思うんですけど、そこで何か…やれシーンがどうみたいな話になっちゃうかもですけど、何かしら良い影響をあたえていきたい、みたいなものってあったりしますか?

UM8:シーンとかそういうのは気にしてないかな…自分たちの成長の場って感じ。

MIZUTAMAXX:そうやな。自分たちの遊び場…とかっていうとベタかもしれんけど。なんかいよいよいろんなところでやってきて、そこいらで出会ったこういうバンドを呼んで、自分たちが先頭になってステージに立てるタイミングかな?と思ってる。

UM8:出稽古やな(笑)。

一同:(笑)

 

HDM:自分たちで呼んでるのに出稽古(笑)。でも自然な形や流れで、さっきも言ってたスキンズとジャパニーズハードコアとか、今の大阪にはない感じの内容にはなってるのがおもしろいですね。九狼吽とはいつころからの付き合いになるんですか?

UM8:ライブ自体はそれほど一緒にやってないけど、その中の東京でのライブが大きかったかな。

 

 

HDM:チン(THINK AGAIN)の企画でしたっけ?たしかそのときに九狼吽のメンバーがEX-Cに良い反応を示してくれてたんですよね?

MIZUTAMAXX:そうそう。あと俺らが名古屋に行ったときに最近はよくRED DRAGONでやる機会が多くて。そうなると顔合わせることも多くなって、ムネくん(九狼吽 Vo. / RED DRAGONを経営)自体もまた一緒にやりたいって言うてくれてて。そんで誘おうかの流れやったね。

 

HDM:なるほどですね。僕はEX-Cにけっこうロックンロール感というか、モーターヘッド的なやつですね。いろんな曲であれを感じることがあって。ああいうとこで言うと九狼吽と通じるところはけっこうあるなと思ってるんです、向こうがEX-Cに反応してくれたのもそういう部分は少なからずあるんじゃないかなと思ってて。だから九狼吽が今回のメンツにいるのは意外な風に思う人がいるかもしれんすけど、実際見たら納得するんじゃないかっていう。

UM8:バンド名は知ってるけど、音は知らんって人に来てほしい企画かな。俺自身もそうやって広がってきた1人やから。

 

HDM:ですよね。あとバンドでいうたらassembrageですね。今回の中ではメタル度が1番高い。メンバーさんとはずっと仲は良いですよね。大阪ですし、界隈も近いですし。

MIZUTAMAXX:そう、メンバーとは仲良くて顔合わすことも多いんやけど、対バンはそこまで多くなくて。各々のジャンルでやることがどうしても多かったし。でも古くから知ってるメンバーばっかりやしね。

 

 

HDM:楽屋がだいぶ賑やかそうな企画になりそうですね(笑)。イベントの今後みたいなところも考えてはるんですか?

MIZUTAMAXX:今回スタートで、単独企画をポンポンポンと打っていこうかなと。

 

HDM:メンバー持ち回りでやっていく感じですか?

MIZUTAMAXX:そやね、毎回主体は誰って感じで。そこで各々のバンドで頭はってた傭兵部隊が活躍する場面かなと。

UM8:そのほうが広がるやろ?メンツの振り幅も。テッチャンの持ってるFeDC系や、ダブや打ち込み系、そんでモックンはドラマンデーもあるし。

 

HDM:ハジメが主導でやる回もあるんですか…?

UM8:いやそれはないな、飛ばしよるし(笑)。

一同:(笑)

MIZUTAMAXX:まあ、乞うご期待って感じで(笑)。そういやちょっと話逸れるけど、ファンダンゴが一旦止まるっていう話あったやん、来年まではやるみたいやけど。せやし場所はいろいろと考えてたりするかな。それにともなってのメンツとかも。ちょっとべつの話かもしれんけどね。

 

HDM:あ、ウメくんは誰を呼ぶんですか?

UM8:俺はあれよ、メジャーで大人なヤツ(笑)。

 

 

殺されそうなメンツやけど わざわざそれをやるっていう

 

HDM:それだけやとよくわかんないですけど(笑)。EX-Cとしては大きなイベントや場所とか積極的に出たりとかは考えてない感じですか?前にPDFで沸かしたときあったじゃないですか、あれ以降でそれまであまり来てなかったようなお客さんを掴んだようなところも見えますし、どういう風に考えてはるんかなぁと。

UM8:せやなあ…しょっちゅう出るってことはないけど、昔でいうたらHARDCORE PRIDEのときとかも、ぜんぜんアカンのとちゃうかなって思ってたらけっこういけたし。いろんなとこでやってきた積み重ねがでるもんかなと思ってる。やってたらイケるやろ、とも思ってるし。まあ、たまには…って感じでいいかな。でも今回のイベントもけっこう大きいで(笑)?

 

HDM:そうですよね!いわゆるゴチャ混ぜのイベントってものに対してはどうですか?正直いうと集客的に厳しくなることも多々あるじゃないですか。見極めが凄く難しいというか。

UM8:やってみなわからんよな。でもメンツのチョイスもやけど、次も来たいって思わせるような空間作りは大切やと思ってるよ。バンド数多かったけどおもしろかった、みたいな。そういう企画は人も入ってる印象もあるし。動員数はリアルな答えのひとつつかな。

 

HDM:シビアなとこですけどね。見どころみたいなとこでいうとどうでしょう?全部っていうのは勿論やと思いますけど、バンドマン視点とか、ニッチな観点でも良いですよ(笑)。

UM8:お客さんの目線でいえば…バンドの出順とかかな。大体フライヤーとか見たら順番ってわかりそうなイベントも多いやん?そこが読めへんイベントかなと思うし。順番も勝負かけようって思ってる。

 

HDM:たしかにこれ企画者の気持ちなったら難しすぎますね(苦笑)。なるほどそこはおもしろいですね。最初から是非来てほしいですし。出演順以外のとこはどうですか?

UM8:うーん、ステージ衣装とか?ショウジさんは上脱ぐのかとか…エガさんは白の衣装でくるのかとか…(笑)。

 

HDM:ショウジさんは何曲目で脱ぐのかとか(笑)。そういうのも楽しみのひとつですね。ムネさんの二の腕の太さとか…。

UM8:でもめっちゃ笑顔かわいいぞとか(笑)。はたしてHELLS ANGELS(アメリカの国際的なバイカーチーム)のジャケットで来るのかどうかとか…。

 

 

HDM:あ、そこは楽しみですね。日本でも唯一なんでしたっけ?なんか服装の話ばっかりになってますけど(笑)、でも個人単位でおもしろい人とかキャラの濃い人たちがめちゃくちゃいますからね。

MIZUTAMAXX:俺も順番かな。EX-Cはトリいけるのかっていう(笑)。

 

HDM:イベントのタイトル『KILLING ME SOFTLY』には意味こめてる感じですか?

MIZUTAMAXX:まあ曲名とかでもよくあるあれやけど、「優しく殺して」っていうメンツどおりな(苦笑)。珍しくハジメも反対せんかったし。殺されそうなメンツやけど、わざわざそれをやるっていう。そこが見どころにもなってるかな(笑)。

UM8:エロリン的に見どころはどこなん?このメンツのフライヤー手にした人がどう思ってるのかは気になるかも。EX-Cのことよく知ってくれてる人は少しわかってくれるかなと思うけど。SMDとかとはガラッとメンツも変わってるわけやし。俺らのことをより知ってもらったり、好きになってもらったりしてもらえるメンツやとは思ってるけどね。

 

HDM:そうですね、そこはバンドとしての意思表示というか。イベントのメンツでもそのバンドの活動とかアイデンティティ?みたいなものは見えますからね。

UM8:今よりEX-Cが絶対カッコよく見えると思うねん。こういうバンドとやってるんや、カッコいいと思ってるんや、っていうのをわかってもらえたら。そういうのを伝えたいかな。NY系じゃないところに飛び出して戦ってるんやっていう。SMDはSMDでルーツや仲間を大切にやってるけど、そうじゃないところの部分やね。

 

HDM:見どころの話にもつながるところやと思うんですけど、いろんな人が巻き込まれていくさまを見たいなっていうのはありますね。モヒカンのパンクスがEX-Cのピットに入っちゃう、みたいな。そういうのは理想としてあるというか。

UM8:BAD BRAINSの当時の映像のあれやな。スキンヘッズやパンクスたちがバーっと暴れたりとか。

 

HDM:あれはほんまに最高ですね。まさにあの感じ。

UM8:最終的にあんな感じでいろんなヤツがおるっていうのは…EX-C自体もいろんなヤツがおってひとつになってるし(笑)、それを体感してほしいっていう。最初は戸惑うかもしれんけど、次々に来てくれたらEX-Cのやりたいこともわかってもらえると思うし。俺らも継続していかなアカンと思ってるし。

 

HDM:間違いないバンドばっかりですからね。

UM8:意図を汲み取ってほしいかな。

 

HDM:お客さんには特に深く考えずに楽しみに来てほしいっていうのはあるんですけど、そういう背景や意図みたいなものに一歩深く踏み込んで楽しみを感じてきたのが僕たちとかじゃないですか。だからそこの部分はやっぱ伝えたいところかなぁって。

UM8:俺らのこと好きな人は今回出るメンツのことを好きになってくれるんじゃないかなって。スキンズのライブに足運ぶとか増えたりしたらいいなと思うし。

 

HDM:めっちゃわかります。ツボ?みたいなもので共通してるところってあると思うので。それは音もそうですし、ライブの勢いとか迫力、ファッションとかもそうですし。通底してる魅力はありますからね。ガッとテンション上がるタイミングとか。おててつないで仲良くってのとはぜんぜん違って。

UM8:そやなそれとは違うからな。

 

 

HDM:大阪のハードコアに対して思うところとかありますか?今回はほかにはない際立ったメンツやと思うので、それに合わせて考えてもらってもOKです。

UM8:こういう感じのメンツのイベントをゆくゆくはやっていける若手のバンドとかが出てきたら嬉しいなっていうのはあるかな。そのころまで自分たちもそういう感じでやってたいっていうのもあるし。道を作るとか偉そうな感じになるかもやけど…NYハードコアとかやってても、ぜんぜんやってしまってええねんでっていう。いつも同じようなメンツでやらんでも。

 

HDM:その良さは良さでよくわかってますからね。楽しみ方としてある程度の成立もしてますし。

UM8:おててつないでが飽きてしまったら刺激もなくなるし。そういうのもやりつつ、ぜんぜん違うとこでもやるっていうのが継続のパワーになるんちゃうかな。大阪について、って言われても…若手がガンガン出てきてるわけではないし、過疎化に向かってるくらいやしな(苦笑)。そんな状況やけど「盛り上げていこうぜ!」とまでは思わん。でももっとおもしろくする方法はいろいろとあるのになって。まわりの目なんか気にしんと。

 

HDM:高齢化問題はあるあるですね(苦笑)。まあ、無理に大きくしても仕方ないかなってのは思います。僕とかはここ数年で特に充実感とか満足度、みたいなものを突き詰めたいなって強く思うようになりましたね。今ある環境をとにかく良くしたいなって。なんぼ内容が良くて楽しくても、お客さん10人では続けられんすからね。デカいフェスの映像とか見てたら「ええなあ」と思うこととかもあるのはありますけどね。ミズタさんはどうですか?

MIZUTAMAXX:お客さんに求めるところって言われると難しいなあ…あるのはあるけどな、勿論。シンプルに当日のことでいえば、オープン時間から来てねっていう(笑)。全バンド見るのがしんどかったらそうじゃなくても良いし。でも来るなら最初から来てほしいかな。

 

HDM:なるほどなるほどですね。EX-C企画っていつぶりになるんですか?

MIZUTAMAXX:KEEP AWAY FROM CHILDRENの解散ライブ以来…5年前くらいかな。俺の個人の思い入れ強めで。結局アルバムの単独レコ発もやってないからな。

UM8:SMDでやってるから俺は企画やってるっていう頭になってしまってたけど、考えてみたらやってないなって。ひさびさで気合入ってるから、今のEX-Cがやる企画っていうものに是非足を運んでほしいなと。

 

 

 

前編【知らんところにガンガン攻めていこうかっていう流れ】

➡中編【なんというか「そのまんまやらん」…できへんねやろな 大阪人は(笑)】

EVENT INFORMATION

EX-C企画『KILLING ME SOFTLY』UM8 & MIZUTAMAXXインタビュー(後編)

『KILLING ME SOFTLY』

日程:2018年10月20日(土)
場所:南堀江SOCORE FACTORY
時間:開場17時 / 開演17時半
料金:前売2500円 / 当日3000円

出演:EX-C / KiM / NIGHTMARE / B-SIDE APPROACH / assembrage / 九狼吽 / 鐵槌
DJ:SHIGA CHANG / 44041644

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