GOBLIN LAND|活動2年にして放つファーストフルアルバム[NEO CHINPIRA]

GOBLIN LAND|活動2年にして放つファーストフルアルバム[NEO CHINPIRA]

interview by HIROYUKI ICHINOKI photo by YUKI SHIMAOKA

 

HDM:そこで今回のアルバムリリースなんですけど、EPとミックステープを踏まえて、活動開始から数えて2年ほどって考えたらけっこうなペースかなあと思うんですが。

Varong:でも気持ち的には長かったような気もするんすよ。もうちょい受けてもええんちゃうかなみたいな感じのもあったし。

YUZin:けっこう早いって言われるんすけど、俺らからしたらだいぶかかったなって感じっすね。そんぐらい凝縮してやってきたんで。でもいいタイミングっちゃいいタイミングっすね。自主制作も経験できたし、今回こうやってbpm tokyoからやれたんで、やっとスタートラインに立てたかなみたいな。

 

HDM:いつもどんな曲を作りたいと思ってます?

Varong:教科書通りじゃないやつっすね。

YUZin:それができたら完璧っすね。だから叫び方とかも普通の人と違う感じでやったりとか、曲によって声はぜんぜんちゃうかったりとか。昔やってた声の出し方とかも最近はほぼやってないですね。自分の声の出し方でここがハマるんやなっていうのがわかってきて、最近はいい感じにハメれるっていうか、ほんまにぱぱっと思いついたらすぐ作って。いろいろ向こうのシーンの新譜とかチェックして、ほんまにヤバいなって思ったらこういうのやなって感じで。ただそれを持ってくるだけじゃなくてアレンジしてジャパニーズ感全開で。なにしろ[NEO CHINPIRA]なんで。

 

HDM:[NEO CHINPIRA]っていうタイトルはどこから?

YUZin:さっきも話したけど、中学校のころからB-BOYとかストリートな感じのファッシファッションやったんすけど、昭和のファッションとかも好きで、剃りこみ入れたりそういう髪型とかも好きやって。そういう時代のマンガもよく読んでて、ビーバップとかカメレオンとか。だから昭和のチンピラとか不良が今の時代にタイムスリップしてきて、今の服を着て、髪の色とかも緑とか赤とか派手な色にしてる感じで[NEO CHINPIRA]。フツーのチンピラじゃなくて、ネオいチンピラっす。

Varong:もともと「GOBLIN LAND」っていう言葉もチンピラにつながってるっちゃつながってるんすけど。

YUZin:僕らはサグじゃなくてあくまでチンピラ。ゴブリンは悪魔の妖精で。

Varong:かわいい感じのね。

YUZin:(名前も)パっと聞いておぼえれるし、ヒップホップでは誰ともかぶらん感じプラス、俺らのランドを築いていこうみたいな。

 

HDM:今回のアルバム制作はこれまでと違う環境だったそうで。

Varong:いつも大阪で録ってるんすけど、今回は全部横浜のスタジオでレコーディングして。

YUZin:スタジオも大阪で見たことないようなゴージャスな雰囲気やったんで、まずモチベーション上がるっすよね。

Varong:そこデカいな。大阪やったら一発で「ごめん、もう一回」みたいなとこも、横浜では一発OKみたいな。そういうのもなんかテクってるっすね、横浜は。やりやすかった。

YUZin:環境が単純によかったっすよね、クオリティ重視で。ブースも広くてマイクもいいし、声も一枚壁通してるんじゃなくてもうそこにあるみたいな。ミックス作業も早くて、思ったようにエフェクトとかもパッパッとかけてくれて仕事も早かったし、スパスパいい感じでいったっすね。おもしろかったっすよ、ほんまに。リリックも書かんとスタジオまでパっと行って、トラック聴きながら書いたり、フリースタイル気味で録ったり、その場のノリで出て来る言葉でバチっと言ってるんで、アルバム通して「GOBLIN LAND」の生活感とか「NEO CHINPIRA」がどういうもんなんかわかると思うっす。

 

HDM:曲作りで悩むようなことは基本ないですか。

YUZin:そうっすね。作ろうと思ったらパっとできるっすね。悩んだらいいもんできないっす。

Varong:たしかに。凝りすぎたらほんまわけわかんなくなったりとか。

YUZin:うまいこといかんすね。その場の適当なバイブスでやったほうがいいのできるっす。自分からしたら歌詞書くのとかそういう作業が嫌いで、凝ったときほどいいもんができないんで、こういう適当な録り方にしてんすよね。

 

HDM:[音楽と遊ぶ]でも「その場のノリだからこそリアル」って歌ってますよね。まさにそんな感じで。

YUZin:はい。フロウとかフレーズをある程度考えてきてからリリックハメるパターンもあるっすけど、ほんまにけっこう適当っすね。

Varong:曲は遊んでて生まれたりするっすね。

YUZin:1曲目からほんまに自分が日々生きてて思ったことしか言ってないっす。

Varong:リリックも難しいことはひとつも言ってないんですよ。だけど深いことは言ってると思うっす。

YUZin:1曲1曲色も違うし、GOBLIN LANDってジャンル作るためにいろんなこと挑戦してるんで、ありのままのスタイルもあったり、メタルとかオルタナティブとかいろんな感じで。多彩にやっていけるアーティストになりたいんで、そんときやりたいと思ったやつをパッと吸収して。

Varong:それもそのまま持ってくるんじゃなくて、日本感みたいなのは絶対入れて。

YUZin:ロックっぽい感じも2年前ぐらいからじわじわきてたけど、ただそれをマネするだけやったら誰でもできるんで、自分らの色にして持ってく感じ。日本人に「うわー、これいいな」って思わせやすいのが[アリノママ]とかで、完全に僕らの色にしてると思うんで。

 

 

HDM:アルバムを完成させて今どう思ってます?

YUZin:納得してるし、満足してるっす。いいアルバムができたかなって感じです。俺らのこと素直にヤバイと思ったら、「ヤバイ」と言ったらいいと思うっす。ヤバイって言える人は君もヤバイよって感じ。「あいつらヤバイな」「こんなん世界見てきた中でおらんな」「ジャパニーズ感全開やし」みたいな。

Varong:たぶんアレルギー持つヤツはだいぶ持つと思う。だけど音楽として普通に聴いてほしいっすね、シンプルに。

 

HDM:これからについても聞かせてもらいたいんですが。

YUZin:GOBLIN LANDっていうジャンルを作って、日本人が向こうのシーンのマネするんじゃなくて、逆にマネさせるぐらいの勢いで先端走っていけたらいいかな。

Varong:そうっすね。これチェックしてもらって、あとは見といてくださいって感じっすよ。日本どまりじゃなくて海外見据えて、向こうのヤツらもヤバイって言わして、向こうのヤツらと一緒にいろんなもん作れたりしたらいいと思うっすね。

YUZin:やっぱりやりたてんときは納得いかん曲ばっかやったり、もっとフレッシュなことできるやろっていうのがけっこうあって、いろんな音楽を追いかける立場やったんすけど、最近は自分のもんが確立できてきてるんで焦る必要ない。もうペーペーじゃないんで、追われる立場にならなあかんので、どんどん自分らの感覚でいけたらなって感じっすね。

RELEASE INFORMATION

GOBLIN LAND|活動2年にして放つファーストフルアルバム[NEO CHINPIRA]

GOBLIN LAND / NEO CHINPIRA
AMAZING-X / bpm tokyo
BPMT-1014
2000円(税別)
2018年12月19日発売

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