「70、80歳になってもライブ写真を撮り続けてる自分でいたい」写殺カメラマン“青木カズロー”

「70、80歳になってもライブ写真を撮り続けてる自分でいたい」写殺カメラマン“青木カズロー”

interview by SHO from EDGE OF SPIRIT photo by 青木カズロー

 

ハードコアやパンクのライブ会場に足を運んでは、趣味として購入したカメラを片手にお客としてモッシュしながら好きなバンドの写真を撮り始めたのがライブカメラマン青木カズローの原点だという。今ではCrossfaithやSUPER BEAVERの専属として、京都大作戦や氣志團万博のオフィシャルとして、またONE OK ROCKをはじめ数多くのアーティストやフェスの撮影を手掛けるまでになった、彼のライブカメラマンとしてのアティチュードやマインドに迫るインタビューを、EDGE OF SPIRITのSHOをインタビュアーに迎え、全国を飛び回る移動の合間をキャッチし、おこなった。

 

 

HDM:ではよろしくお願いします。

青木カズロー:うわー…SHOくんにインタビューされるとか緊張するなあー(笑)。

 

HDM:(笑)。もうカズローはすでに名前も売れてて、いろんなところに露出してると思うから、今回は俺が聞きたいことだけを聞いていきます。まずは意外と知らんのやけど、ライブ写真を撮るようになったキッカケを。

青木カズロー:一番最初のキッカケは単純に趣味でカメラを始めたんです。それこそ夢が潰えて、25歳のときに親の仕事を継ぐのに岐阜の実家へ戻ってきて、「もうこの先自分のやりたい事はずっとできないんだろうな」って思っちゃって。だから趣味でいいから何か始めようと思ったのがカメラで。それまでの夢っていうのはイラストレーターやデザイナーをやりたかったんですよ。でも何も努力してなかった。それでカメラを買って。最初は景色などを撮ってたんですけど、ライブは相変わらず普通に行ってたから、とりあえずmixiの日記を書くのにライブ遊びに行ってその写真を撮ろうみたいな感じで(笑)。2008年年末に三河でWORLDっていうパンクの忘年会的なイベントがあって、そこで九狼吽(クラウン)とTURTLE ISLAND、ROTARY BEGINNERS、HEROを撮ったのがたぶん初めてのライブ写真かな。そのときに撮ったサワダくん(HERO vo.)の写真を見て、「雑誌に載ってるような写真って意外と簡単に撮れるんだな」って思っちゃって(笑)。

 

 

HDM:手応えとしてね。

青木カズロー:そうそう。で、「おもしろいじゃん」って。ハードコアってZINEの文化があるじゃないですか?だから写真を撮って残しておくことも重要だなと思って、いろんなライブに足を運んでは勝手に写真を撮りだしたのがスタートですね。

 

HDM:なるほど。そうやって活動していくなかで、仕事をしながらも生活における写真の比重が少しづつ大きくなってきたと思うんやけど、そこからさらにもう一段階ライブカメラマンとしてのめり込んでいくターニングポイントっていうのは?

青木カズロー:2011年に名古屋のJUKE BOXXX RECORDが閉店したと同時に、いつも写真を撮らせてもらってたハードコアのイベントmove up frontも終わってしまって。当時はハードコアのライブにしか行ってなかったんで、ライブに行く機会も撮る機会もどんどん減ってきたんですよね。だけどライブも行きたいし写真も撮りたいしってときに名古屋のフリーペーパー2YOU MAGAZINEの編集長と知り合って、「僕がロックバンドとかの写真を撮ったらどんなのになるのか見てみたい」って連絡をもらって。それでこれまでと違ったジャンルの写真も少し撮るようになって、それはそれで普通におもしろくて。そのあと2013年に名古屋であったMAD Ollieのオフィシャルカメラマンになぜか自分が声をかけられて、RIZEとP.T.P、coldrain、SiMを撮ったんですけど、そのcoldrainの写真がOllieにデカデカと載ったんです。それが嬉しかったのが一番大きいかもしれないですね。それまではみんなと同じお客の中の一人として写真を撮ってたのが、ガキのころから読んでた雑誌に自分が撮った写真が大きく載って、全国の人に見てもらえるっていう実感が凄くて。そのときに「これで戦っていくのもありかな」って。

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