EARTH CRISIS|ストレートエッジは一生涯の決意 続けることにこそ意味がある
AGNOSTIC FRONT、SICK OF IT ALL、そして今回のEARTH CRISISといい、近年は大御所の来日が多いのがとても有難い。それもどのバンドも再結成ツアーなどではなく、ずっと活動し続けていたバンドだ。AGNOSTIC FRONTやEARTH CRISISに関しては解散と活動休止期間はあったものの、今でも現役で作品を出し続けているし、SICK OF IT ALLは若手ドン引きレベルのパワーをライブで放つ大ベテランといっても過言ではない。また、最近大阪では若いキッズの多くがこの音楽に興味を示し、ライブに足を運んでいる。さらにSTRAIGHT EDGEも増えていて、ライフスタイルまで影響を与えていることも事実である。前回のEARTH CRISIS来日のときはここまでオーディエンスの年齢層の幅は広くなかった。これぞ“REBIRTH OF HARDCORE PRIDE”(※1)といった感じだ。改めてハードコアの再評価、定義の再確認のタイミングではないだろうか?このインタビューを機に、ハードコアという音楽により深く関心を持つ…だけと言わず、この音楽と共に死を分かつまで深く付き合っていただければ有難いです。HARDCORE=MORE THAN MUSIC(※2)ですから。改めて、今回招聘してくれたAlliance TraxのDAIKIさんに感謝申し上げます。
And off course, big thanks to Karl for letting us do a interview and share your experience and thoughts.
※1:GORILLA BISCUITSの[NEW DIRECTION]の歌詞の一部。
※2:VERBAL ASSAULTの名曲。HAVE HEARTもカバー。
HDM:今回、ジャパンツアーを行うことになった経緯について教えてください。
KARL(Vo.):最後にEARTH CRISISとして日本に来たのは10年ぐらい前で、FIRST BLOODとともにDAIKI(ALLIANCE TRAX)が招聘してくれたんだ。あのときも凄い楽しかったよ。で、今回のツアーは半年ぐらい前にオファーがかかったんだけど、SCOTT(Gt.)はSECTで忙しかったから今回のツアーにも協力してもらう必要があったんだ。彼の時間こそが2つのバンドを左右するんだ。彼のおかげもあって最高の時間を過ごせてるよ。今夜は日本に来て3つ目のショー(東京→名古屋→大阪→静岡→東京)になる。
[EARTH CRISIS JAPAN TOUR 2010]
正確には9年前。大阪公演ではPALM、IDENTITY、STIR UP SHITがサポートしていた。
HDM:SECTのメンバーとはともにたくさんの時間を過ごしてきましたか?
KARL:もちろんだよ。全員をよく知ってる。べつのツアーでDENNISがドラムを叩けないときにANDY(SECT / FALL OUT BOY)はEARTH CRISISでドラム叩いてくれたし、JIMMY(UNDYING)も同じようにサポートしてくれた。SCOTTの近所に住んでるから簡単に曲を教えたりできたんだ。彼はUSツアーでもベースをフルで弾いてくれたし、東南アジアツアーでもやってくれたよ。BULLDOG(EARTH CRISISでベースを弾くIANの別称)が来れないときに。
ANDYがドラムを務めるRACETRAITORのドラムカメラ
ANDYがプレイするEARTH CRISIS
UNDYING[Hellfest 2001]の映像
ちなみにEARTH CRISISのラストショー(1989に結成し、2001年に一度解散している)も[Hellfest 2001]だった。
HDM:あなたがハードコアやストレートエッジに出会う前はどういう人生をたどってたか教えてください。
KARL:俺はとても運が良かった。いとこにパンクを教えてもらったんだ。俺より4歳上で、当時13か14歳。俺にとってアイドルのような存在だったよ。CRUCIFICTION OF CHRISTってバンドでベースを弾いてた。スキューバーダイビングのインストラクターで、ドリフトダイバー(潮の流れに乗って移動するダイビング)だった。彼が軍隊に入ったタイミングで俺はベースを練習し始めたんだ。
HDM:そのころ好きだったバンドは?
KARL:一番最初に好きになったアグレッシブなバンドは、たぶんTHE EXPLOITEDかな。13歳ぐらいだったかな。今でも好きだよ。[BEAT THE BASTARD]は最高のアルバムだ。
THE EXPLOITEDといえば[PUNKS NOT DEAD]と[TROOPS OF TOMORROW]だが、このアルバムが最高傑作と言っても過言ではない。96年のアルバム。