名古屋の伝説的ハードコアフェス『MURDER THEY FALL』が9月20日に“ZERO”として復活!
HDM:その矢面に立ったのはONIくんですか?
ONI:そう。ライブ中にマイク持って…ハタチそこそこのガキなのに(笑)。「ここではやめてくれ」と、「裏出て話をしよう」って。んで外出て先輩たちなんで一応は頭下げて、でもこれ以上やられたらあーでこーでって説明はして。シメられはせんかったけど、お灸はすえられた感じだった。そこからは自分もジャパコアが好きだったのもあるからライブに行き、その人たちが遊んでる場所にも顔をだし、そうこうやってようやく認めてもらえたじゃないけど理解してくれて、何やっても文句言われないようになった。
HDM:今の子たちはそういうの一切ないんでしょうね。時代ですね。そこからMTFはどう始まっていったんですか?
ONI:当時よくNYにライブを見に行ってたの。NOSE DIRT(ONIが手掛けるアパレルブランド「SQUARE」の前身となるセレクトショップ)やりだしたころだったから買い付けのついでに。そこでSUPERBOWL(OF HARDCORE)に何回か行くうちに、大きなハコでステージがあっちにもこっちにもあるようなハードコアだけのショーが日本にもあればおもしろいなと思うようになって。SSOHKやった経験もあったから、やってみようって思ったのがキッカケだったかな。
HDM:僕も第1回目はDYINGRACEにくっついて実は行ってるんですけど、2回目からヒップホップも融合していったのは何か考えがあったんですか?
ONI:ヒップホップも一緒の状況だったの。刃頭、TOKONA-X、TWIGYはいたけど、でも名古屋のジャパニーズヒップホップも当時はあってないような時代というか、まだまだ発展途上だったと思う。大阪もそうだったんじゃないかな?みんな東京にばかり目を向けててさ。ちょうどさんピンCAMP時代で。だから地方各地のカッコいいヒップホップの人たちにも目を向けて、イベントに出てもらいたいと思ってそうしたんだったかな。
HDM:なるほど。それから毎年開催されていくんですが、13回目で突然終わらせたのは?
ONI:「13」って数字が良かったので辞めようと思ったのと、もう俺じゃなくてもっと若いヤツらに世代交代させて、それをまた13回続けたらいいと思ったんよね。このまま14回、15回目をやっていくのは簡単だったけど、でも簡単なことより新しい世代で、新しいお客を呼んで、そういう人たちがおもしろいと思える新しいイベントをやったほうが絶対次のためになるって。でも今思うといきなりゆだねすぎたのかなとも思ってる。
HDM:ちなみにSQUAREっていつからやってるんですか?
ONI:SQUAREはけっこうふわっとしとってはっきりしないけど、NOSE DIRT始めてから1、2年くらいのときにはもうあったかな。今も変わらんけどそんなしっかりやってないから。ずっとのらりくらりやりたいことをやってる感じ。
HDM:MTFを始めたときにはもうありました?
ONI:やってたかもしらんけど、税務上はやっとらんことになってる(笑)。
HDM:(笑)。NOSE DIRTやる前は何やってたんですか?
ONI:仕事?仕事は職人系。あとパチンコしかやっとらんかったね。
HDM:ギャンブルはほんま強いっすもんね(笑)。
ONI:博打で金ずっと貯めとったからね。中3ときからパチンコ屋でバイトしとったよ。
HDM:働けたんすか?
ONI:うん、働けたね。こうマイク持って働いとったよ(笑)。家の近くのヤガメってパチンコ屋で。
HDM:(笑)。高校は行っとったんすか?
ONI:高校も一応は行ってたよ。CANNONSのヨシナリ(現AGGRO KNUCKLE)たちと一緒の高校に。パンクスとスキンズで嫌な面子だっただろうな(笑)。
HDM:オザワくん(Mr.OZ:PHOBIA OF THUG / CALUSARI / POUND)とかもその当時から?
ONI:そうだね。オザワは違う高校だったけど夜は街でよく合うから仲は良かったよ。オザワ、制服姿で今のあのまんまだよ(笑)。
HDM:ただ2人とも10代だっただけみたいな(笑)。
ONI:ほんとそう(笑)。俺とオザワとキンちゃん(K.K:CALUSARI / EL LATINO)とでよく制服のまんま遊んどったなあ。
HDM:ツヅキさん(ESPY:TAKE THE LEAD / WITS END)とかそのへんは?
ONI:TAKE THE LEADとかはひとつ上の先輩だね。ハードコア系の人たちは基本ベースはまじめ。不良っていうよりもカッコいい音楽をやってた人。俺とかオザワ、キンちゃんがいた栄って場所は、音楽をやってない不良な人たちがたまってたところ。俺がハードコアにハマってからWITS ENDとか、そういうハードコアのバンドマンたちと仲良くなっていった。